運命の相手
大事な人が弱音を吐いてる時、自分だけは前を向いて希望を持っていなきゃと無意識に思っていた。
入院中に本人から電話で「もう会えないよ…」と言われたときも「そんなことないよ」って言ってあげたかったし、そう思いたかったけど、彼が当たっていた。
それが大事な人の話をちゃんと聞いてあげていなかったとか、そんなに好きじゃなかったからとか、ネガティブな勘違いに支配されそうになっていたけどそうじゃない
だって今でも願うことは、「ずっと一緒に暮らしたい」だから
待っていてくれてるかなとか、また会えるのかなとか、不甲斐ない私は自信がないけど、彼からもらった言葉を繋ぎ合わせると安心できる
この世で会えた時間はたった5年だったけど、一生以上に繋がっていると信じている。
私が遅かったのか、彼が早かったのか、私たちはこの寂しい想いを受け入れて生まれてきたんだろうか
だとしたらこの世は魂の旅行先のたった一回分であると思いたい。本当の家はこの世界の前と後だと思いたい。今回は先に帰ってるからって、約束した人生だったと思いたい。今回は旅行ポイントがあまり無かったから大丈夫?って。うん、わかったよって。
約束して生まれてきて、この人生が終わったらただいまって、空港に迎えにきてくれてるみたいに一緒にうちに帰ろうって、また一緒に暮らすんだ。
だから寂しくない。うちに帰れば待っててくれてるから。きっとお洒落なバルコニーで大好きなコーヒーとチョコを食べながら音楽を聴いて待っててくれてるんだ。
何故か私は死んだらもう地球には戻らないって10代の頃から決めている。意外と意志は貫いてて有言実行してたりするのできっと本当にそうなんだろうと思うのと、もしかしたら彼も同じだと良いのになと思う。そしたらもうすれ違うこともなくずっと一緒にいられるし、彼もそれを望んでくれていたらいいなぁって思う。
旅行先では完璧な思い出をつくれるタイプの二人では無かったから、この人生もそうであるように願う。
こちらで運命の相手に出会えたこと、幸せに思う。